2016-01-01から1年間の記事一覧

calling

「よばれる」という感覚は時々あって、なにかに引きつけられるというか、たとえば直感と言い換えてもいいのかもしれないけれど、もっと音もなく大きななにかで、そう、やはりそれは「よばれる」というのがいちばん適切な気がするから、わたしはこの感覚を「…

女学生

朝、目がさめる。上半身を起こすと、目の前にある全身鏡の中の自分と目が合う。おはよう。声をかけてあげる。かけてあげながら、寝起きの自分に絶望する。え、顔むくみすぎじゃね?私こんなかわいくないっけ?「朝は、いつでも自信がない」。昨晩ねむるまえ…

消えないで

金木犀が始まった。 と書こうと思っているうちに、終わってしまっていた。私はとことん季節に乗り遅れる。 私が通うこの大学の構内には、どこもかしこも金木犀が植えられている。花をつけるこの時季になると、建物から出る前にすでに、匂いがしてくるほどで…

一年前の日記を転載

2015年9月29日 あざやかな夏が過ぎて、いつのまにか蝉の声も途絶えた九月、金木犀はセンチメンタルを加速させます。窓を開けて息を吸い込めば街中が初恋の嵐。 一生続くかと思われた夏休みがおわりました\(^o^)/ 夏休みは長く札幌に帰りました。毎年恒例の…

始まりとは

きょうから私の後期が始まりました。 以下、二十年後の私のためだけの日記。 後期の授業は、必修の授業と、足りてない二単位分の一般教養と、自分の興味のある哲学史。 きょうは、必修の授業である専門演習(ゼミ)だった。 教室は、いつだってこわい。みん…

進むとは何か

とてもよい文を書くひとがいて、そのひとの文が更新されるのを私はいつもたのしみにしている。 このあいだ、更新された文をわくわくと読んだら、心乱された。母の愛についての文だった。内容はごく普遍的で当たり前で、おそらく大体のひとが賛同することで、…

真夏のピークが去った

台風が接近しているそうで、ここ数日は雨降りですね。私は雨音を聞くことは好きなのですが、部屋の中が外の世界の憂うつに、しずかに満たされていくようで、雨の日は気が塞ぎます。いままで本を読んでいたのですが(村上春樹さんです)、外の世界の雨のせい…

生きている

一年ぶりにお会いした方がここを読んでくださっていて、とてもうれしかった。ありがたかった。 自分のためにしかならないし書いていて何になるのか、と思いながらも、書かなきゃ、と思うから、私は書いていました。公開することに意味があるから公開している…

抱きしめたい

いくつもの書いたことばを、文を、だれの目にもふれないまま、保存する。それらはノートの中に、このアプリの中に、私の中に、いつまでもある。夏に置きさりもできないで、いつかやどこかに置きさりもできないで、いつまでもある。 どうしたら、それらは星座…

脱・はぐれメタル

大学でやりたいと思ってるままのこと3つ ・ひるねサークル べつに団体登録とかじゃなくて、勝手に。 ある5月の心地よい日、わたしは、大学のベンチにすわって木漏れ日を受けながら、やわらかい風に髪がなびいて、心の中にはゆううつがあって、ああこのまま…

思い出し泣きする話

私は大学1回生の後期から精神的にやばくなりはじめました。小学生のころから不安定だと親戚には言われているし、中学の卒業式の日には担任の先生からお前はふらっと死にそうだ、死ぬなよと言われたりしてはいたけれど。 大学に入ってからのその不調の原因は…

夕立ちのひと

夏とは気分のことだとあなたは言いました。 氷でいっぱいのオレンジスカッシュを、ストローで、からからと、回しながら。汗をかいたグラスの水滴の数だけやってくるその訪れは、急、いつも。 甲州街道を走る蝉の声から逃げ込むように地下一階。そうしてエア…

恋人の部屋

ははとのLINEより はは「いまかれしんち?」 わたし「うん、そうだよ」 はは「かれし、寝た?」 わたし「茶の間でふだん寝ているらしいので八時に寝た」 おつきあいしている相手のことは恋人と呼びたいよね、とは、高校のときから流星の友人と妄想していた。…

宛先はなくても

「ゆめをみていた、つきはみていた」 驚いた。ほんとにびっくりした。 視線をあげた先の、半径一メートル以内にあのひとがいる。あのひとが、だいすきなあのひとがいる! 驚きすぎたあたしは登り途中の階段につまずき、腕、ひざから盛大にこけた。てをのばせ…

ICカードの使えない場所

海岸沿いの高速道路をふちどるように走るバスに乗った。降車場から目的地までは80分だった。 窓から海が見えた。右から左へと流れてゆく景色の中の、同じように右から左へと流れてゆく大きな建物たちに、水平線はぶつ切りにされていく。あの建物たちは、建っ…

おとなってやつ part2

おとなになるといえば、17歳ころの私は「おとな」になりたくて、ヒールを履くことがたびたびあった。今もだけれどそのときの私はいつも遅刻しかけていたせいで、また陸上部であったゆえの癖(そんなのあるのか)で、よく走っていた。いま思えば慣れないヒー…

おとなってやつ

「24さいでこんなことになってるなんて予想外だったよね、恋にあたふたして友情に毎日感謝してる大人になる予定じゃなかった、でも毎日最高」 私の流星の友人のことばである。ほんとうに最高な女の子だ。 先週彼女と電話をした。近況報告などをしつつ、この…

夏のコントラスト

先週友人に誘われて、奈良の花火大会に行ってきた。 そんなに大規模ではないらしく、ほぼ地元のひとばかりのような雰囲気であった。地元人ぶりながら、クレープの屋台に並んだ。いちごクレープを注文したので、そのつもりで食べたら、なぜかパインだった。甘…

少女時代のこと

先日私は、毎日電子文通をしている七年来の友人から「永遠の少女マニア」との称号を与えられた。 その永遠の少女マニアは先週、はじめて行った古書店で、宮迫千鶴さんの『超少女へ』という本をたまたまみつけて、げっとしてきた。これが素晴らしい出会いであ…

星拾い

なにも言えない。なにも書けない。みたいなところで立ち止まってしまう。これすら言いたくないし書きたくない。なにも言えない。なにも書けない。 「何も言えなくなるなんてバカなあやまち」をしてしまうのは、ありとあらゆる種類の言葉を知らないからなのだ…

保健室でねむる

「おなかいたい」とは、人間の発するあらゆる弱音のなかで一番かわいいものだと思う。 きのうの私は、とてもおなかが痛かった。 そして冒頭に書いたことをここでいきなり覆すけれども、きのうのその「おなかいたい」は、「かわいい」なんて生易しいものでは…

恋のまたの名は

いつも花にばかり目が行ってしまうから、外を出歩くたび危機一髪が起こる。と、「花ある君」に先日書いた。私が見てしまうのは、花ばかりではなくて、空もだった。 家の玄関を出たら、まず空を見上げる癖が私にはある。 自転車をこいでいても見上げながら、…

花ある君

梔子の花びらって、どんなかしら、と思っていた。 梔子って、意志がある。あの造形。ほかの花より立体的に感じるのは、そのなにか意志のせいか。「わたしはこういうものとして生きています」という主張、意志。それゆえか、あの花びらは澄んだような白ではな…

人生、それは「魔法的」な

大学生活最後の年に出会えた小沢健二さんの「魔法的」ライブ、そして これまでの人生で出会えたあなたへ、これから出会うあなたへ あなたに出会えたことで私の人生これまでが肯定された気がします。どうもありがとう。 そうあなたに伝えたら、あなたもきっと…

原点について

2016年7月2日(土) 髪切ったしな。夏の始まりだな。と、きのう、思っていたら、あっという間だった。 猛暑日。今季初蝉。今季初エアコン。アイスも食べたし。まあ、アイスは、今季初じゃないんだけども。 見渡すかぎり山に囲まれた京都の酷暑が始まる。 も…

兆す

季節が放つ光のなかで深呼吸するように過ぎた日々は、たしかにあのひとがいたことを記憶させてくれた。三月はにぶい春の光。風だけがつめたい春の夜。わたしたちは目的もなくただ歩いた。 ( where do we go? ) 「恋におちる」とは、からだごと全身の落下で…

夏の花

夏の花が咲きはじめている。 凌霄花、のうぜんかずら、空凌ぐ花。 百日紅、さるすべり、百日紅いろをつける花。 のうぜんかずらは、通学路にて、先週見つけた。堂々とした花のいろ、花のつけ方。わたしにはなくて、憧れる。そっかもうそんな時季なのか、なん…

from here

from hereわたしはさわやかな風がすきなので六月の湿気が得意ではない窓の外には可視化する憂うつわたしは晴れがすきなので雨がやはり得意ではないきょうはひねもすの降水虹が架かるまでおやすみなさい薄れゆく意識のなかであなたの水平線を越えるわたしをみ…

駆け出そうか

赤い唇が色あせる前に その熱い血潮の枯れぬ間に きみは駆け出すんだね 今日は春の中へ 瞳の中に花が咲いて サニーデイ・サービス「東京」 サニーデイ・サービスの「東京再訪」をみてきました。「絶対いいよね〜」という想像の一億倍上回って、よかった。100…

なにを聞いてもしっくりこない夜というものがあってね

生きていたいなあ。 私には好きなひとしかいないから生きていたい。私は、愛する人間です。みんな愛しているんです。ひとも季節も時間も。だから私を殺すとしたら私なのでしょう。みんな私を生きさせてくれているのだから、私を殺すとしたら私しかいない。と…