星拾い


    なにも言えない。なにも書けない。みたいなところで立ち止まってしまう。これすら言いたくないし書きたくない。なにも言えない。なにも書けない。

    「何も言えなくなるなんてバカなあやまち」をしてしまうのは、ありとあらゆる種類の言葉を知らないからなのだろうな。わたしの場合においては。知らないわたしが、ありとあらゆる種類のそれを知る過程に、いまあるからなのだろう。
    膨大な言葉の世界に溺れて、何も掴めない。
    「世界にはわたしの知らないありとあらゆる種類の言葉がある」ことはわかっている、ということだけが、せめてもの救いか。無知の知、とか。そう信じたい。
    もうすこしゆけたら、進めたら、なにか見えるのかな。掴めるのかな。そう信じたい。

    刺すような八月と焦燥。
    天の川が見たいな。北海道の真ん中で。
    この視界が360度ではないことを恨むほどの星空に圧倒されて、夏の大三角、オリオン座。星は読むものであると知った2年前のその日、ことばというもののひとつひとつーそれは夜空に散らばった銀色のビーズのようでありますーを、拾う旅に出かけました。北の真夏の11度の世界。ここはどこでしょうか。わたしはいまだ帰れません。