好意はアルコールに溶かし込め


ここへ来る汽車の窓に、曼珠沙華が一ぱい咲いていたわ。
あら曼珠沙華をごぞんじないの?あすこのあの花よ。
別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。
花は毎年必ず咲きます。

   川端康成「化粧の天使達」


   サツキがかわいいね、えっこれはつつじじゃないよサツキだよ、だってほら花もあるけどつぼみもあるでしょ、つつじは全部の花が一斉に咲くけどサツキは順々に咲くんだよ。あっ ねえあじさいも咲いてるよ、春ってもう終わったのかな、いまは初夏ってやつなのかな、そっかもう梅雨だもんね。五月が終わるのもったいないな、五月は好い月って与謝野晶子も書いてたよ、こんないい気持ちがずっと続いてほしいのにな。ねえあのね、あのときわたし、あなたのことが好きだったよ、月曜から夜ふかしの下ネタで、笑ってしまったときは恥ずかしかった。うん、私のことに気づいてたよね、でも気づかないふりしてくれていてどうもありがとう。私はあなたに、


   四季がまわることや、花のような美しいものがこの世に存在することが、ほんとうに不思議。きっと神さまはいるのだろう。だって奇跡としか言いようがないよな。でも、好きなひとを思い出すために季節がまたやって来たり季節の花が咲くのだと、そのためにだけ奇跡が起こったのだと、そうおもいこんだって、いいでしょ?

   「また四月が来たよ 同じ日のことを思い出して」って、林檎さんもうたってた。

   つつじが咲いたらサツキが咲いたら、わたしのことを思い出して。

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