きのうは雨でもきょうは晴れ

片付きゆく部屋の隅には片付かぬ君が煙草の跡ひとつあり ただいま、引っ越し準備の真っ最中である。鋭意、ものを捨てては思い出に浸り、捨てられなくては思い出に浸る。引っ越し準備や片付けというのは往々にしてセンチメンタルに耐えることが主な仕事である…

遡及的に愛されるいくつかの今日へ

この「一草一花」内で、数か所設定変更をしてみた。おそらくあまり気づかれないであろうし、気づかれなくてもまったくかまわないし、ただ変えてみたというそれだけのこと。id名だけではなくて、名前を表示させることもできると教えてもらったので、そこも変…

bear

誕生日の前月になると、「お誕生日クーポン」のメールマガジンがあちこちから届くようになる。アイスの31%オフや、洋服の1000円引きや、トリートメントのサービスなど。無敵な気持ちになれる。 先月は誕生日でした。祝福してくれる方がいらっしゃって嬉しい…

十七歳

「十七歳」 発することばの一文字一文字が凍ってしまいそうな十二月だった。 音もなく、しろにしろをかさねる雪が降る。右横を、すこしだけ盗み見ると、その無数のうちひとつが、うつむき加減にあるく高階さんの、すっとのびた睫毛に、選ばれたように、ふわ…

女学生

朝、目がさめる。上半身を起こすと、目の前にある全身鏡の中の自分と目が合う。おはよう。声をかけてあげる。かけてあげながら、寝起きの自分に絶望する。え、顔むくみすぎじゃね?私こんなかわいくないっけ?「朝は、いつでも自信がない」。昨晩ねむるまえ…

消えないで

金木犀が始まった。 と書こうと思っているうちに、終わってしまっていた。私はとことん季節に乗り遅れる。 私が通うこの大学の構内には、どこもかしこも金木犀が植えられている。花をつけるこの時季になると、建物から出る前にすでに、匂いがしてくるほどで…

一年前の日記を転載

2015年9月29日 あざやかな夏が過ぎて、いつのまにか蝉の声も途絶えた九月、金木犀はセンチメンタルを加速させます。窓を開けて息を吸い込めば街中が初恋の嵐。 一生続くかと思われた夏休みがおわりました\(^o^)/ 夏休みは長く札幌に帰りました。毎年恒例の…

始まりとは

きょうから私の後期が始まりました。 以下、二十年後の私のためだけの日記。 後期の授業は、必修の授業と、足りてない2単位分の一般教養と、自分の興味のある哲学史。 きょうは、必修の授業である専門演習(ゼミ)だった。 教室は、いつだってこわい。みん…

真夏のピークが去った

台風が接近しているそうで、ここ数日は雨降りですね。私は雨音を聞くことは好きなのですが、部屋の中が外の世界の憂うつに、しずかに満たされていくようで、雨の日は気が塞ぎます。いままで本を読んでいたのですが(村上春樹さんです)、外の世界の雨のせい…

最終電車

「最終電車」 深夜2時のことを26時とよぶ彼はそのとき8月32日のなかにいた。 どうしたってはくちょうやわしには見えない星座と、歩いて揺らされるたびぶつかるふたつの手と。結べない星たちは、つなげないわたしと彼のようで、寄る辺ないわたしたちはいつま…

生きている

1年ぶりにお会いした方がここを読んでくださっていて、とてもうれしかった。ありがたかった。 自分のためにしかならないし書いていて何になるのか、と思いながらも、書かなきゃ、と思うから、私は書いていました。公開することに意味があるから公開している…

抱きしめたい

いくつもの書いたことばを、文を、だれの目にもふれないまま、保存する。それらはノートの中に、このアプリの中に、私の中に、いつまでもある。夏に置きさりもできないで、いつかやどこかに置きさりもできないで、いつまでもある。 どうしたら、それらは星座…

脱・はぐれメタル

大学でやりたいと思ってるままのこと3つ ・ひるねサークル べつに団体登録とかじゃなくて、勝手に。 ある5月の心地よい日、わたしは、大学のベンチにすわって木漏れ日を受けながら、やわらかい風に髪がなびいて、心の中にはゆううつがあって、ああこのまま…

思い出し泣きする話

私は大学1回生の後期から精神的にやばくなりはじめました。小学生のころから不安定だと親戚には言われているし、中学の卒業式の日には担任の先生からお前はふらっと死にそうだ、死ぬなよと言われたりしてはいたけれど。原因はいろいろあったのだろうし、いま…

遠ざかりながら近づく

まだ夏の終わらない空を見上げながら、好きもさようならもありがとうも言えずに通り過ぎていってしまったひとのことを思い出していた。飛行機雲みたいなひとだった。 あらゆる感情が私の中で片づいてしばらくして、そのひとに会う機会があった。この次に会…

夕立ちのひと

夏とは気分のことだとあなたは言いました。 氷でいっぱいのオレンジスカッシュを、ストローで、からからと、回しながら。汗をかいたグラスの水滴の数だけやってくるその訪れは、急、いつも。 甲州街道を走る蝉の声から逃げ込むように地下一階。そうしてエア…

あざやかな透明

いつかかえるということ。 ここはきっと、水辺。私たちはいつも水辺にいる。波が寄せてきては、かえってゆくのを、ただ眺めている。ね、きらきらがきれいだね。陽の反射。プリズム。きれいだね。足を浸したら、つめたかったよ。 ひとは、ここから出発して、…

恋人の部屋

ははとのLINEよりはは「いまかれしんち?」わたし「うん、そうだよ」はは「かれし、寝た?」わたし「茶の間でふだん寝ているらしいので八時に寝た」 おつきあいしている相手のことは恋人と呼びたいよね、とは、高校のときから流星の友人と妄想していた。三人…

宛先はなくても

「ゆめをみていた、つきはみていた」 驚いた。ほんとにびっくりした。 視線をあげた先の、半径一メートル以内にあのひとがいる。あのひとが、だいすきなあのひとがいる! 驚きすぎたあたしは登り途中の階段につまずき、腕、ひざから盛大にこけた。てをのばせ…

ICカードの使えない場所

海岸沿いの高速道路をふちどるように走るバスに乗った。降車場から目的地までは80分だった。 窓から海が見えた。右から左へと流れてゆく景色の中の、同じように右から左へと流れてゆく大きな建物たちに、水平線はぶつ切りにされていく。あの建物たちは、建っ…

おとなってやつ part2

おとなになるといえば、十七歳ころの私は「おとな」になりたくて、ヒールを履くことがたびたびあった。今もだけれどそのときの私はいつも遅刻しかけていたせいで、また陸上部であったゆえの癖(そんなのあるのか)で、よく走っていた。いま思えば慣れないヒ…

おとなってやつ

「24さいでこんなことになってるなんて予想外だったよね、恋にあたふたして友情に毎日感謝してる大人になる予定じゃなかった、でも毎日最高」 私の流星の友人のことばである。ほんとうに最高な女の子だ。 先週彼女と電話をした。近況報告などをしつつ、この…

夏のコントラスト

先週友人に誘われて、奈良の花火大会に行ってきた。 そんなに大規模ではないらしく、ほぼ地元のひとばかりのような雰囲気であった。地元人ぶりながら、クレープの屋台に並ぶ。いちごクレープを注文したのでそのつもりで食べたら、なぜかパインだった。あま…

少女時代のこと

先日私は、毎日電子文通をしている七年来の友人から「永遠の少女マニア」との称号を与えられた。 その永遠の少女マニアは先週、はじめて行った古書店で、宮迫千鶴さんの『超少女へ』という本をたまたまみつけて、げっとしてきた。これが素晴らしい出会いで…

星拾い

なにも言えない。なにも書けない。みたいなところで立ち止まってしまう。これすら言いたくないし書きたくない。なにも言えない。なにも書けない。 「何も言えなくなるなんてバカなあやまち」をしてしまうのは、ありとあらゆる種類の言葉を知らないからなの…

保健室でねむる

「おなかいたい」とは、人間の発するあらゆる弱音のなかで一番かわいいものだと思う。 きのうの私は、とてもおなかが痛かった。 冒頭に書いたことをここでいきなり覆すけれども、きのうのその「おなかいたい」は、「かわいい」なんて生易しいものではなかっ…

恋のまたの名は

いつも花にばかり目が行ってしまうから、外を出歩くたび危機一髪が起こる。と、「花ある君」に先日書いた。私が見てしまうのは、花ばかりではなくて、空もだった。 家の玄関を出たら、まず空を見上げる癖が私にはある。 自転車をこいでいても見上げながら、…

おとなってやつ

「24さいでこんなことになってるなんて予想外だったよね、恋にあたふたして友情に毎日感謝してる大人になる予定じゃなかった、でも毎日最高」 私の流星の友人のことばである。最高な女の子だ。 先週彼女と電話をした。近況報告などをしつつ、この年齢っても…

この町で

京都生活5年目にしてはじめて祇園祭に行ってきた。この町での生活・大学生活をふりかえるには、半年残っているから、まだ早い。早いのでさらっと。 何度もここに書いているとおり人と出かけることのほぼない一回生後期以降だった。けれどもそれゆえか、ひと…

花ある君

梔子の花びらって、どんなかしら、と思っていた。 梔子って、意志がある。あの造形。ほかの花より立体的に感じるのは、そのなにか意志のせいか。「わたしはこういうものとして生きています」という主張、意志。それゆえか、あの花びらは澄んだような白では…

人生、それは「魔法的」な

大学生活最後の年に出会えた小沢健二さんの「魔法的」ライブ、そして これまでの人生で出会えたあなたへ、これから出会うあなたへ あなたに出会えたことで私の人生これまでが肯定された気がします。どうもありがとう。 そうあなたに伝えたら、あなたもきっ…

原点について

2016年7月2日(土) 髪切ったしな。夏の始まりだな。と、きのう、思っていたら、あっという間だった。 猛暑日。今季初蝉。今季初エアコン。アイスもたべたし。まあ、アイスは、今季初じゃないんだけども。 見渡すかぎり山に囲まれた京都の酷暑が始まる。 も…

兆す

季節が放つ光度のなかで深呼吸するように過ぎた日々は、たしかにあのひとがいたことを記憶させてくれた。三月はにぶい春の光。風だけがつめたい春の夜。わたしたちは目的もなくただ歩いた。 ( where do we go? ) 恋におちる とは、からだごと全身の落下で…

夏の花

夏の花が咲きはじめている。 凌霄花、のうぜんかずら、空凌ぐ花。 百日紅、さるすべり、百日紅いろをつける花。 のうぜんかずらは、通学路にて、先週見つけた。堂々とした花のいろ、花のつけ方。わたしにはなくて、憧れる。そっかもうそんな時季なのか、な…

from here

from hereわたしはさわやかな風がすきなので六月の湿気が得意ではない窓の外には可視化する憂うつわたしは晴れがすきなので雨がやはり得意ではないきょうはひねもすの降水虹が架かるまでおやすみなさい薄れゆく意識のなかであなたの水平線を越えるわたしをみ…

駆け出そうか

赤い唇が色あせる前に その熱い血潮の枯れぬ間に きみは駆け出すんだね 今日は春の中へ 瞳の中に花が咲いて 東京 サニーデイ・サービス サニーデイの東京再訪をみてきました。「絶対いいよね〜」という想像の一億倍上回って、よかった。100年分の恋をした。…

わたしは信じている

いつでも愛していたい。 いつまでも愛してるを言いたい。 愛してる。愛してる。愛してるよ。 大好きな女の子と、夜が明けるまでながでんわをした。チョコレートをたべるのがやめられないということ、この世の中には余裕が足りないということ、占い雑誌の新…

それは愛とかいうもの。

LIFEがCOMIN' BACKしたきがします(1091回目)どろどろの日記を消しました。たぶんこれからも繰り返すのでしょう。でも、それでもいい。いいんだよね。きっと。以下引用。私は愛しています。私は愛しています。あなたを、あなただけをひたすら想わずにはいら…

なにを聞いてもしっくりこない夜というものがあってね

生きていたいなあ。 私には好きなひとしかいないから生きていたい。私は、愛する人間です。みんな愛しているんです。ひとも季節も時間も。だから私を殺すとしたら私なのでしょう。みんな私を生きさせてくれているのだから、私を殺すとしたら私しかいない。…

好意はアルコールに溶かし込め

ここへ来る汽車の窓に、曼珠沙華が一ぱい咲いていたわ。あら曼珠沙華をごぞんじないの?あすこのあの花よ。別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。 川端康成「化粧の天使達」 サツキがかわいいね、えっこれはつつじじゃないよ…

ゆくひとたち

ゆくひとたち夏の風が君をさらってオリオン座がわたしを手招きました駆けるように晴れたあの日ふたりでまいたあおい絵の具が空からことぱをなくさせましただから夜は星をならべて物語をはじめたのです星の瞬きが語りかける夜恋とは、愛とは、美しさとは隣の…

とりあえずで生きる

この1ヶ月くらい鬱々としていたのに急に生き返った。ここのところばいとと大学しか行かない日々(ゼミも怖くてさぼってた)、ばいとでしか人と会話しない日々、だった。でも出かけるようになったら世界が広がった。生きていこうとおもった。 Le vent se lè…

宿る

そのときのわたしにとって彼のなまえをよびかけることは、告白に等しかった。好きだと伝える代わりになまえをよんだ。彼の名を一文字ずつ発音することは、ひとつのたのしさであった。 ドレミファソラシドの世界に身を置いて、鍵盤を弾けば音が鳴るように、…

さつきばれ

物語のはじまりには 丁度いい季節になったろう まるで全てが変わるように 「暗闇から手を伸ばせ」小沢健二 五月。五月はよい季節である。 時折さあっと吹く風は、四月のように花を散らせはしないし、六月からはじまる夏のように、じとりとした湿気を含むこ…