こゆるぎ

意志を持つたテイルランプの赤色に 思ひだすのは 夏が終る音 冬の沈黙 光の縫ひ目は 赤い糸のやう 美しいひと 呼びかければ振りかへるひと 美しいひと あなたの呼び名は愛と同義と伝へたい 教会の鐘が響く 風を可視化してゐるしづかな運河 あなたとわたしは…

秋の微風

金木犀が香りはじめた日から、町の風は急にやわらかくなる。やさしくなる。秋雨はやみ、空気はあたたかく、季節は彼らのための舞台である。 以前に書いた通り(unabara1675.hatenablog.com)、私が京都の大学を志望したのは、高校の修学旅行で訪れた京都ではじ…

さよならの代わり

この町はやたらと晴れている。 遠くまで見渡す限りに空であるこの町。わたしが24年間の人生で生活してきたいくつかの場所には、こんな広さの空はなかった。この世界の半分は空なのではないか、とさえ、思わされてしまうほどの広さ。そしてわたしはいま地球の…

真夏の果実

特筆すべきような一日を過ごしたわけではないけれど今日のことは書き残したいから書くだけの私のためだけの日記。 2018年7月11日(水)の日記(1) 私が生まれ育った札幌には、かえるがいなかった。 正確にいえば、札幌の中の私が生まれ育った町のあたり(そこ…

「私」は「私」を生きていること

泣きながら書いています。 感情で書いています。 考えないことには価値がないとは思っています。 ここのところずっとしんどい。 近い状態にあったとしても「しんどい」ということばを使うことはあまりなかったのだけれど、このことばがとてもしっくりくる。…

25歳になって、「これから」を考え始めている。 できるかぎり遠くまで、できるかぎり深くまで行きたいなあ。 書くこと、読むことで私は私をすくいたかった。 私がずっとわからないこととは? それを私がわからなければならない理由とは?

三月

ショートヘアーになりたかった どっちが好き?なんて聞けなかったから 安全策で髪を伸ばした 君をタロット占いしてみたら わたしのことが好きだったって 好きだったって 過ぎた季節は線香花火で弔いましょう 並行世界は占わなくても ここはいつでもしあわせ…

雪の話

今朝はよく晴れていて、それなのに雪がちらついていた。雪はずいぶん水分を含んでいるようで、陽にあたるとダイヤモンドダストのように見えた。 なんて、流暢なことをきのう書いて保存してねむって、目が覚めて、そしたら今朝は、大雪だった。積雪していた。…

20170201

出勤1日目。まだ研修期間だけれど。 きのうはとりあえず、社会人ぽく見えるように通勤用のかばんをげっとした。さすが、形から入るわたし。CanCamコートを着ているし、すこしは社会人に見えるかしら? せっかく「オトナ見えかばん」をげっとしたのにくつはげ…

書きたい

気がつけば、ここを5ヶ月も空けてしまっていた。 書きたいことや書こうと思ったことや、いくつも下書きはあるけれど、途中にしたままである。とりあえずそれは置いておいて、「ひさしぶりだから」なんて気合を入れずに、ひとつめを書いてしまおう。 この5ヶ…

きのうは雨でもきょうは晴れ

片付きゆく部屋の隅には片付かぬ君が煙草の跡ひとつあり ただいま、引っ越し準備の真っ最中である。鋭意、ものを捨てては思い出に浸り、捨てられなくては思い出に浸る。引っ越し準備や片付けというのは往々にしてセンチメンタルに耐えることが主な仕事である…

遡及的に愛されるいくつかの今日へ

この「一草一花」内で、数か所設定変更をしてみた。おそらくあまり気づかれないであろうし、気づかれなくてもまったくかまわないし、ただ変えてみたというそれだけのこと。id名だけではなくて、名前を表示させることもできると教えてもらったので、そこも変…

bear

誕生日の前月になると、「お誕生日クーポン」のメールマガジンがあちこちから届くようになる。アイスの31%オフや、洋服の1000円引きや、トリートメントのサービスなど。無敵な気持ちになれる。 先月は誕生日でした。祝福してくれる方がいらっしゃって嬉しい…

手からすべるように

流してしまったいくつかの出来事や感情に気がついて、ごめんね、と思った。 あの本を読んだのはいつだったっけ。あの音楽にはまっていたのはいつだったっけ。あんなことを考えていたのはいつだったっけ。 あの本を読んでその瞬間に感じたのは何だったっけ。…

what's your name

ここのところやることはたくさんあって、でもやればできるというものでもなくて、それでも元気にやっていた。うまくいかないことしかないけれど、とくべつ落ち込むこともなく、悲しむこともなく。私も強くなったものだと、思っていた。 私の感情はスイッチ式…

十七歳

「十七歳」 発することばの一文字一文字が凍ってしまいそうな十二月だった。 音もなく、しろにしろをかさねる雪が降る。右横を、すこしだけ盗み見ると、その無数のうちひとつが、うつむき加減にあるく高階さんの、すっとのびた睫毛に、選ばれたように、ふわ…

女学生

朝、目がさめる。上半身を起こすと、目の前にある全身鏡の中の自分と目が合う。おはよう。声をかけてあげる。かけてあげながら、寝起きの自分に絶望する。え、顔むくみすぎじゃね?私こんなかわいくないっけ?「朝は、いつでも自信がない」。昨晩ねむるまえ…

消えないで

金木犀が始まった。 と書こうと思っているうちに、終わってしまっていた。私はとことん季節に乗り遅れる。 私が通うこの大学の構内には、どこもかしこも金木犀が植えられている。花をつけるこの時季になると、建物から出る前にすでに、匂いがしてくるほどで…

誰にも公開するはずのなかった日記

2014年2月28日金曜日 リンネルのお洋服がやはりとても好きなのであります。将来はこんな風になりたいな。そうしたら、生きる希望が湧いてくるようです。 心が健康である、とはどういう状態なのでしょうか。 死にたいのは不健康なのでしょうか。生きようとす…

一年前の日記を転載

2015年9月29日 あざやかな夏が過ぎて、いつのまにか蝉の声も途絶えた九月、金木犀はセンチメンタルを加速させます。窓を開けて息を吸い込めば街中が初恋の嵐。 一生続くかと思われた夏休みがおわりました\(^o^)/ 夏休みは長く札幌に帰りました。毎年恒例の…

始まりとは

きょうから私の後期が始まりました。 以下、二十年後の私のためだけの日記。 後期の授業は、必修の授業と、足りてない2単位分の一般教養と、自分の興味のある哲学史。 きょうは、必修の授業である専門演習(ゼミ)だった。 教室は、いつだってこわい。みん…

進むとは何か

とてもよい文を文を書くひとがいて、そのひとの文が更新されるのを私はいつもたのしみにしている。 このあいだ、更新された文をわくわくと読んだら、心乱された。母の愛についての文だった。内容はごく普遍的で当たり前で、おそらく大体のひと賛同することで…

真夏のピークが去った

台風が接近しているそうで、ここ数日は雨降りですね。私は雨音を聞くことは好きなのですが、部屋の中が外の世界の憂うつに、しずかに満たされていくようで、雨の日は気が塞ぎます。いままで本を読んでいたのですが(村上春樹さんです)、外の世界の雨のせい…

最終電車

「最終電車」 深夜2時のことを26時とよぶ彼はそのとき8月32日のなかにいた。 どうしたってはくちょうやわしには見えない星座と、歩いて揺らされるたびぶつかるふたつの手と。結べない星たちは、つなげないわたしと彼のようで、寄る辺ないわたしたちはいつま…

生きている

1年ぶりにお会いした方がここを読んでくださっていて、とてもうれしかった。ありがたかった。 自分のためにしかならないし書いていて何になるのか、と思いながらも、書かなきゃ、と思うから、私は書いていました。公開することに意味があるから公開している…

抱きしめたい

いくつもの書いたことばを、文を、だれの目にもふれないまま、保存する。それらはノートの中に、このアプリの中に、私の中に、いつまでもある。夏に置きさりもできないで、いつかやどこかに置きさりもできないで、いつまでもある。 どうしたら、それらは星座…

脱・はぐれメタル

大学でやりたいと思ってるままのこと3つ ・ひるねサークル べつに団体登録とかじゃなくて、勝手に。 ある5月の心地よい日、わたしは、大学のベンチにすわって木漏れ日を受けながら、やわらかい風に髪がなびいて、心の中にはゆううつがあって、ああこのまま…

思い出し泣きする話

私は大学1回生の後期から精神的にやばくなりはじめました。小学生のころから不安定だと親戚には言われているし、中学の卒業式の日には担任の先生からお前はふらっと死にそうだ、死ぬなよと言われたりしてはいたけれど。 大学に入ってからのその不調の原因は…

遠ざかりながら近づく

まだ夏の終わらない空を見上げながら、好きもさようならもありがとうも言えずに通り過ぎていってしまったひとのことを思い出していた。飛行機雲みたいなひとだった。 あらゆる感情が私の中で片づいてしばらくして、そのひとに会う機会があった。この次に会…

夕立ちのひと

夏とは気分のことだとあなたは言いました。 氷でいっぱいのオレンジスカッシュを、ストローで、からからと、回しながら。汗をかいたグラスの水滴の数だけやってくるその訪れは、急、いつも。 甲州街道を走る蝉の声から逃げ込むように地下一階。そうしてエア…